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2009-06-21

あの時の風が・・・(1)~TelphoneCall~

入梅して、なかなか天気と休みのタイミングが合いません。

そこで、オートバイ小説 第二弾「あの時の風が・・・」

駄文ですが、もし、お時間があれば・・・

*この小説はフィクションです。一部、事実と似通った部分がありますが、登場する人物とは関係ありません。

電話のベルが鳴っている。
俺は、ベットから手だけ出して、電話を探し、通話ボタンを押した。

「はい。河田です・・・」

昨日、オートバイで800kmも走ったせいで、体の芯が揺れている。

「起きてたか?番号変わってなかったみたいだな。助かったよ。」

時計に目をやる・・・午前9時・・・
真っ当なサラリーマンなら起きている時間だ。

さらに電話の相手は続ける。

「俺だよ。わかるよな?」

「あぁ・・・」

一年、聞かなかったからといって、忘れられる仲ではない。

「ヒロシだろ?どうしたんだよ?」

テーブルのバドワイザーに手を伸ばす・・・

「仕事、どうだ・・・?」

R0013302 仕事・・・
フリーランスのカメラマン・・・
俺の肩書きだ。
オートバイ雑誌のツーリング企画に同行し、写真に収める。
他人に言わせれば、趣味と実益を兼ねたお気楽な仕事らしい。
傍から見るほど、楽ではないが・・・
そう・・・趣味のオートバイとは、高校時代からの付き合いだ。

そして、ヒロシとも・・・

「そんなこと言いたくて、電話してきたのか?」

バドワイザーを一口含む。
生の抜けたぬるいビールの味が口の中に広がる。

「いや・・・、明日、空いてるか?」

「明日・・・?」

やはり、そうか・・・

「明日、奥琵琶、走らないか?」

「・・・」

「あの日、あいつが走ったコースを2人で・・・」

あの日、あいつが走ったコース・・・いや、あいつと俺が走るはずだったコースだ。

あの日・・・、正確には、次の日の未明だ。
今日と同じように電話が鳴った。
そして、相手も今日と同じヒロシだった。

「テツか?ヒロシだ・・・」

「ヒロシ、悪い。急な仕事が入っちまって・・・ヨシオの奴、怒ってるだろうな」

電話の向こうに沈黙が流れた。
沈黙の向こうで、聞き覚えのある音がする・・・サイレン・・・

「死んだよ。ヨシオの奴、死んじまったよ。」

全ての思考が止まった俺の耳にサイレンの音だけが鳴り響いていた。

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コメント

おはようございます。
う~ん、シブイ!“ライダーズハイ”の世界ですな。

投稿: ガン | 2009-06-21 05:18

■ガンさん
おはようございます
”ライダーズハイ”御存知ですか?
結構、本を読まれる方なのかな?
だとすれば、あのツーレポの文章力にも納得です。
山川健一さんは、好きな小説家の一人なんで、かなり影響を受けてます…てか、下手すりゃ、パクリ(笑

どう展開していくか、こうご期待…

投稿: タクマホのパパ。 | 2009-06-21 06:36

おはようございます。そーなんですよ、私、殆ど"活字中毒”です。今は松岡圭祐の"千里眼シリーズ”にハマッてます。(笑)
でも、病気が酷い時は本を読むのも苦痛だったんです。回復してきたようで、喜んでます。(笑)

投稿: ガン | 2009-06-21 07:37

追記
戸井十月さんの本もお勧めです。もうご存知かな?
多分、絶版になっていると思いますが、"よろしくベイシティ”は超お勧めです。(笑)

投稿: ガン | 2009-06-21 08:50

パパ。さん、こんにちは。
私も活字中毒ですが、ここまでは書けません。
渋い書き出しです。

投稿: いちご | 2009-06-21 12:28

パパ。さん こんにちは!

私からしますと、凄い文章力のお三方がお揃いですね(笑)
やはり、皆さん沢山、本を読まれているんですね。

投稿: オヤジの道楽 | 2009-06-21 17:00

続きです。
最近読んだのでは、新潮文庫の素木文生さんの「旅旅オートバイ」です。
25年以上前は、角川文庫の片岡義男「彼のオートバイ、彼女の島」などなど、かなり読みました。

投稿: いちご | 2009-06-21 17:54

■ガンさん
戸井十月さんも、大好きです。
「よろしく、ベイシティー」良いですよね。
この作品からも、今回の小説にエッセンスをいただいてます。
同じく戸井さんの「on the road agein」もなかなか…
あとは、泉優二さんの「ウインディー」から始まる作品群は、何度も読み返しました。

投稿: タクマホのパパ。 | 2009-06-21 20:37

■いちごさん
>旅旅オートバイ…
私、これはハードカバーの頃に読みました。

四年前の事故で、オートバイを降りようか、迷っていた頃、もう一度、乗る勇気をくれたのが…
アウトライダーに、長いこと出筆されていた山田深夜さんの「横須賀Dブルース」や「千マイルブルース」です。
この二冊には、本当に励まされました。

オートバイの楽しさより、オートバイに乗ることで出会えることのすばらしさを教えてもらいました。
もう、書店には並んで無いと思いますが、手に入ると思いますので是非、読んでみて下さい。

山田深夜さんHP
http://www5a.biglobe.ne.jp/~shinyago/index.htm

投稿: タクマホのパパ。 | 2009-06-21 20:45

■オヤジの道楽さん
本はむちゃくちゃ読みますね。
雑誌だけで月に5冊、単行本は、月3冊は…
新作ばかりじゃなくて、以前読んだものを読むことも多いです。

今の時期は、天気が悪くて、相棒に乗れないことが多いので、オートバイ小説を読み漁ります。

以前、アメブロ時代に、こんなのを書いてます。
もし、よろしければ・・・
http://ameblo.jp/pianpiano082life/theme-10002589586.html

投稿: タクマホのパパ。 | 2009-06-21 20:51

ウインディーも泉さんもイイッスね。私も何回もよみました。最近、コンチネンタルサーカスとか言わなくなったので、プライベーターのライダーの小説、なくなりましたね。寂しい限りです。

投稿: ガン | 2009-06-21 21:03

パパ。さん こんばんわ

来ましたね。
これを待っていたんですよ。
いまから続きが楽しみで楽しみで(笑)
最近は活字離れしています。
何といっても老眼が進んでしまって。。。(爆)

投稿: GAZZY | 2009-06-22 22:36

■ガンさん
>コンチネンタルサーカス
言わなくなりましたね~
オートバイが進化するのは嬉しいことですが、どんどん別世界になっていくようで…

「チャンピオンライダー」の中で、ゴードンが言った。
「今のライダーは、運転手になっている…」ここまでは言えませんが、近いものがあるんでしょうね。

投稿: タクマホのパパ。 | 2009-06-23 09:43

■GAZZYさん
期待していただいているものになるかどうか(汗

とりあえず、今回は、ラブストーリーです。

>老眼
私も最近…
ま、仕方ないですよ。お互いアラフォーですから…

投稿: タクマホのパパ。 | 2009-06-23 09:46

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